窓際の山河くんの隣は。
「うわあ……!すごい」
私は何故か感動で涙が出そうになった。
南さん、本当にすごい人だ。
これも全部努力の塊。
こんなに彼女は頑張ってるのに、私は……
「南さんね、私と2歳しか、変わらないの。彼女が高校の時に色んなコンクールで賞を取ったりして、高校生にして画集を出版したりしてたの。凄いよね。ずっとファンだった」
「……」
「私とは全然違う。羨ましかったし、憧れてた。いつか、南さんみたいになれたらって思ってた。けど、怖くて中々踏み出せなかったの」
私はただの弱虫だった。
周りからの評価が怖った。
また、才能がないなんて言われるかもしれないって。
唯一の癒しである絵が、否定されるかもしれないって。
すごく、すごく……怖かった。