窓際の山河くんの隣は。
「まあ、もう絵は良いの。私は勉強さえできれば――」
「良くねえよ!」
咄嗟に私の言葉を遮った山河くんに驚いて、私は目を見開いた。
「良いわけない。何で諦めんだよ。また自分に嘘つくつもりか?本当は、描きたいんだろ?絵が描きたくて仕方ないんだろ?自分のやりたいことはなんだ?自分が一番分かってるはずだ」
「……っ」
思わず言葉が詰まってしまった。
私のやりたいこと。やりたいことって……
「でも……!」
「俺は、お前の絵すげー好き。この南さんって人の絵に負けないぐらい輝いてると思う。俺が、一番のお前のファンになるから、諦めんな」
山河くんの言葉を聞いて、私はボロボロと涙を流した。
ごめん、泣かせるつもりじゃなかった、と山河くんがあたふたしているのも気にせず、泣き続けた。