窓際の山河くんの隣は。
ドキドキ。
悪いことをしているような、この感覚。
いや、授業をサボるって悪いことなんだけど。
それでもこのドキドキハラハラするこの感じは、初めてだった。
「お客様のお部屋は206になります」
山河くんと二人でカラオケか。
何なんだろうこの状況。
予想外の展開過ぎて、ちょっとだけ笑っちゃう。
山河くんって何歌うんだろう。
っていうかそもそも歌なんか歌うのかな?
そんなことを一人で考えていると、
「一番は俺が歌うわ」
と言って、おもむろに曲を入れてマイクを持って歌いだした。
私は吃驚しすぎて、口を開けたままだった。
前奏が終わり、歌に入ると……
「待って、山河くん超上手い!!」
かなりの美声と声量に圧巻された。
そこらへんのアイドルより上手い……