窓際の山河くんの隣は。
「笹木がそう言ってくれて嬉しい。俺何もしてねえけど、俺も笹木から色んなもの貰った」
「へ?」
「……」
「っ……!」
どんどん、山河くんの顔が近付いてくる。
目をつぶった、山河くんが私の近くに……
ドキドキという音が大きすぎて、もう心臓が爆発しそうだった。
こんな音、絶対に聞こえる。
ダメだ、もう無理だ
「っ!!」
気が付くと、私は山河くんを突き飛ばしていた。
「あっ、ご、ごめん、えっと」
「ごめん、帰ろう」
「あっ……」
山河くんは、見たことのないくらい悲しい顔をしていた。
なんてことを私はしてしまったのだろう。
帰ろうという、声が心臓に響いて、私は何をしてしまったのだろうと深く後悔した。