窓際の山河くんの隣は。

もう山河くんに嫌われちゃったかな。

そりゃ、傷つくよね。
あんなに突き飛ばされたら。

あんな顔、初めて見た。

ごめんなさい……

私、本当は、本当は……


「ごめん」

「へ?」


黙ってた山河くんが、改札を通り抜ける前に、そう呟いた。


「さっき、急にあんなことしてごめんな。俺、分かってたのにな」

「ちがっ……!!違うの!私、私、山河くんのこと……!!」

「待ってる」


そう言って、頭を優しく撫でてくれた。


「俺、笹木がちゃんと夢かなえるまで待ってる。そしたら、その言葉ちゃんと聞きたい。応援してるから」

「山河くん……」


ぎゅっと手を握りしめて、


「私、夢ちゃんとかなえるように頑張る!だからっ……!」


言いかけた私を優しく抱きしめ、

「うん、待ってるから」

そう耳元で囁いた。


ドキドキとまた心臓が音を立て、私はりんごのように顔を真っ赤にさせた。
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