彼を愛してはいけない理由。
プロローグ

志乃side


薄暗い廃工場。

鉄と鉄がぶつかり合う音。

何かが折れる音。

男の唸り声。

血の臭い。

汗の臭い。


そんな中に私はいた。

怖くて、でも楽しくて、私は胸がドキドキしていた。


『狂ってる』


昔、誰かに言われた。

でも、その人はもういない。

だって、私が・・・


私は静かに微笑んだ。

殴り合い、殺し合う男達を見て。

私が今までやってきたことを思い出して。

< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop