羨望


気のせいだとも思ったが、
その顔があまりにもかっこよくて、



恐らくみんなは見たことがないであろう
彼の笑顔をもう一度見たくて、
彼の方に目を向けるが


彼はもう笑ってないどころか、
こっちも見ずに
いつも通りイヤホンをして、


歩き始めていた。




やはり気のせいだったのだろう。



そう考え直して、
あの瞬間の彼の笑顔を思い出しながら


私もみんなに合わせて歩き出した。


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