羨望
彼の話を聞きながらふとそう思った。
こんな楽しい雰囲気でも
泉くんの声は聞こえないんだよね
と彼のほうを見るも
やはり彼はイヤホンをして、
一人スタスタと歩いていた。
しばらく歩いていると、
陽の光が強くなり始め
体が動きづらくなってきた。
あぁ、少し疲れてきたな。
でもみんないいペースで歩いてるし
このペース乱すのも駄目だよな。
どうしよう
そう迷っているとき
意識が歩くことは別の部分に
行っていたからか、
小さな石に躓き、転びそうになってしまった。
やばいっと思ったときには
すでに遅くて
そのまま転んでしまった。