羨望


「いったぁ」


そう言いぎゅっと瞑っていた
目を開けると


眼前いっぱいに茶色い土が映っていた。



泉くんの前で転んだ。

みんなの前で転んだ。



恥ずかしくて中々顔も上げられず、
立ち上がられず、じっとしている
私に不信に思ったのか


誰かがそっと手を差し出してくれた。



戸惑いながらもそっとその手を握り
立ち上がると


その手の主は泉くんだった。



びっくりして、
パッと手を離そうとすると

強く握られて離れられなかった。


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