ツレない彼の愛し方【番外編追加】


「そんな隆ちゃんもね、響ちゃんには甘えられているんじゃないのかなって何となく思ったの。心から安らげているような気がする。なにもかもソツなくこなして、完璧に物事を進めちゃう隆ちゃんに赤ちゃんが出来たなんて本当に想像できなったの。だから…響ちゃんには心を許しているんだなって」

そう言って和泉さんは俯く私の手をぎゅっと握って来た。



「そんなこと…」

ただの間違いかもしれない。
そんな自惚れて良いような言葉を信じる自信が私にはない。



「お母さんも私も響さんの味方よ。私達が味方につけば、朽木家では怖いものなし」


とチャーミングにウィンクをする。



その時だった。
庭が一望できるその部屋から、どやどやと騒がしく車から降りて来る三人の男性が見えた。


「社長...」


久しぶりに見る早瀬。
少し疲れた顔をしているけれど、相変わらず男前で私の視線はずっと早瀬だけを追っていた。


「ふふふ」と笑って、和泉さんが目配せをした。


小声で「少し待っててね。しばらく隣の話を聞いていて」とお母さんと一緒に隣の部屋へ行ってしまった。

置き去り?
と思いつつもこれから起こる何かに興味をそそられているのは事実で、悪いことをしているような気分で隣の話に耳を傾けた。

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