ツレない彼の愛し方【番外編追加】
「少し遅れるってこう言うことかぁ!」
わざと亮介を煽ってニヤニヤと笑う。
早瀬があきれ顔をしているけど気にしない。
「ふん」
弟は憎たらしい返事しかしない。
まるで宝物を取られたくないように彼女を自分の後ろに隠す。
「ちゃんと紹介しなさいよ、亮介!」
亮介が話さないなら彼女に聞いちゃおう!
「初めまして。亮介の姉の響です。」
あ、彼女、キョドってる。可愛い〜!
とうとう観念したのか、焦って亮介が紹介し始めた。
「夏希さん、例の姉貴です」
"例の"って何?
「そして旦那さんの早瀬隆之介さん。
僕、隆之介さんのデザイン会社を手伝ってるんですよ。」
ほっほー、ちょっとちょっと完全に彼女にほの字でしょ、亮介。
そして、なぜ私のことは無視!?
「ちょっと、なんで姉を通り越して旦那の紹介が先なのよ」
隣で早瀬がフッと笑ってる。
「この子ね、実の姉よりこっちに懐いちゃってて嫌な感じなのよ。えっと…夏希さんだっけ?」
さっき亮介が彼女の名前を呼んでいたのをしっかりとインプット。