ツレない彼の愛し方【番外編追加】
あっという間に時間は過ぎ、午後9時。
宴会はお開きになった。
「響、オイ、こら、起きろ!」
みんなの声が遠くなったり、近くなったり、うとうとしている私を容赦ない言葉で早瀬が起す。
「ん?あれ~、終わりですか?」
まだぼんやりとした意識。
「響ちゃん大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込む由加里さんを見てハッとする。
「あ~、由加里さんと話したかったのに~、ばかばか、私のバカ~!」
と言いながらまた意識が遠くなる。
店の前のベンチに腰を下ろすとすぐに瞼が落ちて来る。
次に目を開けた時は岡野が大声で騒いでる。
「しゃちょ~、二次会っすよ。カラオケ行きましょうよ~。朽木も行くぞ!お前の歓迎会なんだからな」
と朽木の首に腕を回し、無理矢理連れて行こうとする。
絡まれる前に美咲ちゃんは消えて行った。
「はは、岡野さん、酔うと激しいですね」
朽木くんは少し困ったように、岡野に付き合っている。
少し離れたところでタバコを吸ってる早瀬に由加里さんが私を指差しながら何か話していた。
きっと連れて帰れって言われてるはず。
いつもの事。いつもお酒を呑むとこうして早瀬に甘えたくなる。