ツレない彼の愛し方【番外編追加】
「ったく、何なんだ!」
不機嫌に扉を開けて入って来た早瀬に永野が気が付くと、
「あれ?朝からご機嫌斜めだね。悪いと思ってるよ、先方と内容を詰めていたら朝イチの承認になっちゃったんだよ。」
「お前じゃない。」
「ん?何かあったの?」
すぐに二人が事務所に現れた。
「おはよ。金曜は大丈夫だった?響、お前はどうして酒を呑むとすぐ寝るんだよ。あの後、早瀬と朽木に挟まれてタクシーに乗って帰ったんだぞ。」
飲み会の度に、永野にはいつも呆れられてる。
記憶をたぐり寄せた。
そう言えば、車の心地良い揺れと誰かの暖かいぬくもりが蘇る。
そのぬくもりは、てっきり早瀬だと思い込んでいた。
もしかしてそのぬくもりは朽木くん?
「省吾、ちょっと来い。」