ツレない彼の愛し方【番外編追加】
早瀬が朽木くんを呼び寄せる。
朽木くんのことを「省吾」と呼ぶことに違和感を感じながら、さっきエレベーターでの出来事を問いつめられるんじゃないかとドキドキしながら二人へ意識を向けた。
「お前、100年早いんだよ。俺を挑発するなんて!」
と、持っていた新聞を丸めてパッカーンと朽木の頭を軽く叩いた。
私はその光景にあっけに取られ意味がわからず立ち尽くしている。
「隆(りゅう)にい、テスト期間が3か月なんて長いよ。この1ヶ月、きちんと見てくれたでしょ?俺、正式に採用してくるよね?」
隆にい?今、早瀬を隆にいんって呼んだ?
「それが言いたくて響にちょっかいを出していたのか?」
「だって隆にいの気を引くには響さんにちょっかい出すのが手っ取り早い!」
ちょっと、ちょっと、なんなの?
理解できないんだけど。
「あの…何の話をしているんですか?」
早瀬と朽木くんに思わず聞いてしまう。
すると、この二人ではなく話し出したのは永野だった。