ツレない彼の愛し方【番外編追加】
「社長、響さんと喧嘩でもしました?もしくはご機嫌を損ねたとか…」
逃げるように休憩室へ行ってしまった響を目で追っていると省吾が遠慮もなく質問して来る。
「朽木、直球だな~。でも社長、心当たりあります?」
岡野まで。
「ある訳ないだろ!」
何なんだ!響の態度は。明らかにおかしい。避けられている気がする。
「隆(りゅう)にぃが気が付かないだけじゃないの?」
それもある。
「会社ではそう呼ぶなって言ってんだろ。」
図星な事を言われてしゃくに触るから八つ当たり。
「響、最近、ちょっと変なんですよね。具体的には何って言われるとわからないんですけど、情緒不安定っていうか急に泣いたり。」
岡野が続けていた。
「泣く?!アイツが?! …省吾、なんか仕事で心当たりあるか?」
アイツが泣くなんてよほどのことだ。
「仕事はすこぶる順調です。心当たりがあるのは社長じゃないんですか?」
「はっ?」
思わず眉間にはシワが寄せて考える。
・・・思い当たるとすれば、あれか。でも響にはわからないように行動したはず。