ツレない彼の愛し方【番外編追加】


「吉澤コーポレーション…部長…って、どうして?」
彼女の事が気になって追い掛けて来たなんて怪し過ぎて言えない。



「先ほど、レストランから飛び出して行ったでしょ?すごく気になってね。追いかけて来ちゃいました。」

でも彼女にインパクトを与えたく意味深な言葉を投げてみる。
不思議そうに俺の顔を見る彼女が可笑しくて...可愛い。



「すみません。良く理解できないんですけど。」

だろうね...自分自身、こんな行動に驚いているところ。



「でしょうね。」

一応、営業スマイルを私に向けた。
だいたいはこの笑顔が武器になる。



「とにかく乗って下さい。その足じゃ、歩くのはかわいそうだ」

かかとからストッキングに血が滲んでいるのがわかる。
履き慣れていないヒールで靴擦れしたんだろう。



「それに、セクシー過ぎて目立ちます。」

パーティドレスだけで街を歩くなんて、無防備過ぎて放っておけない。
自分のジャケットをそっと羽織らせた。
このシチュエーションでほとんどの女性は堕ちるのに彼女は...


「大丈夫です」

と言って頑なに拒否をする。
そんなことは滅多にない。だからますます彼女に執着する。


「君は大丈夫でも、僕が気になる。」


< 68 / 139 >

この作品をシェア

pagetop