ツレない彼の愛し方【番外編追加】
「吉澤コーポレーション…部長…って、どうして?」
彼女の事が気になって追い掛けて来たなんて怪し過ぎて言えない。
「先ほど、レストランから飛び出して行ったでしょ?すごく気になってね。追いかけて来ちゃいました。」
でも彼女にインパクトを与えたく意味深な言葉を投げてみる。
不思議そうに俺の顔を見る彼女が可笑しくて...可愛い。
「すみません。良く理解できないんですけど。」
だろうね...自分自身、こんな行動に驚いているところ。
「でしょうね。」
一応、営業スマイルを私に向けた。
だいたいはこの笑顔が武器になる。
「とにかく乗って下さい。その足じゃ、歩くのはかわいそうだ」
かかとからストッキングに血が滲んでいるのがわかる。
履き慣れていないヒールで靴擦れしたんだろう。
「それに、セクシー過ぎて目立ちます。」
パーティドレスだけで街を歩くなんて、無防備過ぎて放っておけない。
自分のジャケットをそっと羽織らせた。
このシチュエーションでほとんどの女性は堕ちるのに彼女は...
「大丈夫です」
と言って頑なに拒否をする。
そんなことは滅多にない。だからますます彼女に執着する。
「君は大丈夫でも、僕が気になる。」