ツレない彼の愛し方【番外編追加】
独立を決めて、計画的に動いていく中、このまま会社を去ったら響とは離れてしまうんだろうか?そう思ったら、無性に淋しくなっていた。
響を離したくない。
身勝手な想いがどんどん膨らんでいく。
それが愛なのか、ただの欲なのか、それとも執着なのかわからない感情のまま響に声をかけた。
『俺、会社辞めるんだ。独立する。進藤さん良ければ、手伝って欲しい』
最初はキョトンとした目で理解するのにやっとだったのか、ひと呼吸置いて言われたことを理解した途端、首を縦に何度も振っていた。
「はい、はい!行きます。行かせて下さい!!!!!!」
コイツ、後先考えず返事しちゃっていいのかよ、と思わず吹き出してしまう。
「えっ?」
笑われたことを不思議だったのか首をかしげてまたキョトンとしていた。
「ごめん、ごめん...あまりにも即答だったから。少し考えた方が良いんじゃないのか?」
もう離すつもりはないけど、念のために確認。
「あっ...そうですよね。内定が決まってるんだった」
今更ながら、考え込む。
「だよな?大丈夫?」
「はい...早瀬さんの下でまだまだ勉強がしたいんです。でも本当に私で良いんですか?」
「うん、進藤さんが良いんだ」
離す訳にはいかない。余裕な顔して必死にくどいていたと思う。
きっとこの頃から響に惹かれていたんだ。