ツレない彼の愛し方【番外編追加】
アイツの顔を見た途端、愛しさでいっぱいになる胸。
明るく屈託の無い笑顔を俺だけに向けてくれる。
それまでの嫌な気分も不安も何もかも取り除いてくれた。
響を...自分だけのものにしたい。
気の利いた言葉も甘い雰囲気にもできないからストレートに出た言葉。
「ひびき…抱いてもいい?」
アイツ、ガチガチに固まってたっけ。
だからもう一度、同じ言葉で困らせた。
「響を...抱きたい」
やっと響から出た言葉は....
「えっ...それはどういうことでしょうか?」
思わず笑いそうになったけど、冗談だと思ったのかアイツはヘラヘラと笑いながら「はい、はい!」と軽くあしらったんだ。それにイラっとして響の腕をひっぱり引き寄せた。ガチガチのまま強引に唇を奪った。
それからは自分でも抑えがきかなかった。
初めて自分から抱きたいと思ったオンナ。
愛しくていつまでも響の温もりを味わっていたかった。
響の身体を隅々まで味わっている最中に気が付いたんだ。
あまりにもぎこちない動き。放っておくと呼吸することも忘れている。
もしかして...
「お前…初めてだったのか?」
聞いても何も答えない。
それが答えだとわかった瞬間、愛おし過ぎて狂おしい存在になっていた。
もう...離しはしない。