ツレない彼の愛し方【番外編追加】


「響ちゃんって呼んでもいい?」



「はい」



「まずは自己紹介ね。斉藤和泉です。改めて…ヨロシクね。」



「進藤響です。よろしくお願いします。」



「ご家族は?」



「地方に両親がいて、弟が東京にいます」



「わ、響ちゃんも弟さんがいるの?私にも3人いるのよ」



「3人ですか?4人姉弟…」



「そう!男ばっかり。すぐ下は父の仕事を継いでるの。仕事は真面目なのに昔からチャラい性格でね、いやんなっちゃう。で、二番目の弟はその逆。真面目でなんでもソツなくこなす。そこがまた嫌味が無くてかっこいいのよ。一番下は私が高校生のときに産まれてるから、もうそれはそれは可愛くて。うちの子どもとも年がそんなに離れていないのよね。響ちゃんの弟さんはどんな方なの?」


「勉強も運動もできるのにどこか冴えなくて不器用なんです。でも嘘だけはつかない…」



「あら、弟さんを見てみたいわ。パッとしないのに実は男前みたいなタイプ?」



「そうなのかもしれません」

和泉さんは楽しそうに弟話に花を咲かせていた。



「響ちゃん、弟さんは近くにいる?」



「はい」



「なら、にココにいることは伝えておいて。できれば一度お逢いしたいし」



「亮介に?」



「うん、隠れイケメン見たいわ~」

いやいや、そこですか?と突っ込みを入れたいけれど、和泉さんは大真面目だ。
そうだよね、亮介だけには連絡をしておこう。



「あの…お仕事内容なんですけど、私は何をしていれば」



「そうね、さっきも言ったように相談に来た方達のお茶出しとお片づけ。あとは身体の負担にならない程度にお掃除をしてくれていたらいいわ。以上」



「それだけ…ですか?」



「あ、あとお買い物を少しお願いします。早速だけど、お茶菓子を切らしちゃって。何か買って来てくれる?」



「はい、わかりました。」

駅前に大きなスーパーがある。そこまではここから徒歩15分くらいだろから歩きで行って来てと和泉さんは私を送り出してくれた。

< 87 / 139 >

この作品をシェア

pagetop