ツレない彼の愛し方【番外編追加】
お茶菓子と言われても何が良いかわからず、少し多めに買って両手にスーパーの袋を抱えて帰って来た。病院の出入り口を通らず、そのまま一軒家に向かうと男女が言い争うような大きな声がして来た。私は反射的に物陰に隠れてしまった。
「なんで修ちゃんが斉藤先生のところに?」
「綾乃、どうして…お前・・・俺の後を付いて来たのか?」
「修ちゃんの様子が変だったから。何か隠してない?」
「お前には関係ない。帰れ」
「イヤよ、しかも和泉さんのところとか、絶対に何か隠してる」
「綾乃、いい加減にしろよ」
修二さんの怒鳴り声にビクっとした私はスーパーの袋を落としてしまった。
大きな音を立てた私の方を二人の視線がすぐさま向けられた。
「進藤さん?」
「響ちゃん!」
綾乃さんの顔色が変わった。
険しい表情を浮かべたかと思うと、すぐに冷たい目を浮かばせた。動けないまま、立ちすくんでしまった私に近づいて来る。すぐに修二さんが私を隠すように前に立ちはだかる。
「修ちゃん?」
「綾乃、何する気だ。何を言う気だ!」
「進藤さん、どうしてここに?もしかして…妊娠してるの?」
綾乃さんは修二さんの言葉など聞こえてないように話しかける。
「答えてよ、妊娠してるのかって聞いてるの!」
「はい・・・・・ごめんなさい」
「響ちゃん、謝らなくて良い。何も言わなくていいから」
そう言って、修二さんは私を自分の背中に隠す。
「修ちゃんは黙ってて。進藤さん、誰の子を妊娠してるの?まさか隆之介の子とか言わないわよね?ここにいるということは産む気?」
「綾乃!!!!!!!!」