ツレない彼の愛し方【番外編追加】
俺は暴れて興奮している綾乃を引きずったまま自分の車に押し込めた。
こんな展開になるなんて、予想もしてなかった。
響ちゃんの妊娠。
隆之介さんへ報告もせず、1人で産むと言い出した響ちゃんを放っておけなくて彼女の元へ足を運ぶ。
綾乃の仕組んだ早瀬隆之介との電撃結婚という記事。
響ちゃんが打ちひしがれる姿を見て誰が放っておけるんだろうか?
誰にも妊娠のことを告げず、彼女はどこかへ行こうとしている。
そんな悪い予感で落ち着かない。
このまま彼女がいなくなることに恐怖を憶え、すぐに潤一先生に連絡を入れた。
「先生、昨日はありがとうございました」
「ああ、進藤さんは大丈夫?」
「それが...事情はまだ話せませんが、彼女を引き止めて頂きたいんです」
「ん?どういうこと?」
「どこか遠くへ行ってしまいそうな気がして。取り越し苦労ならそれはそれで良いのですが...」
「あ、じゃ、いつでも良いと思ってたけど、昨日の事務手続きにすぐに来て貰うよ。修二くんがそんなことをいうなんて、僕も心配だし」
「そうして頂けますか?それから、彼女が来たら僕に連絡を頂けたらありがたいです」
「わかった。事務にそう言っておくよ」