願いは叶う
私は母と二人で家に帰り、母を布団に寝かせると、母の内職の仕事を始めた。


私は母を病院に連れていきたかったが、母が何年間も国民健康保険料を滞納していたため、うちには保険証がなかった。


私は中学校を卒業したら、少しでも給料が高い仕事を見つけて働きたかった。


仕事をすれば、お金が貰える。


そうすれば、長くて暗いトンネルの中に一筋の光が差すかもしれない。


そしてその光をたどって行けば、絶望の暗闇から私は抜け出せるかもしれない。


目を閉じて未来を思うとき、何の確信もない私の夢が、おぼろげながらも姿を現す。


私は、今の自分ではない自分にきっとなる。
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