願いは叶う
百合子は泣きながら、真っ赤になった目で教室内を見まわした。


〈 先生も、矢田朋子も、クラスのみんなも、誰一人として私を助けてくれない 〉


百合子は、必死の思いで後ずさりした。


とりあえず私は、教室から廊下に出て、それから……。


『助かると……、思うな……』


低く、薄気味悪い声が、百合子を身震いさせた。


『私は……、この日を……、ずっと、待ってた……』


百合子は四つん這いになり、教室から廊下へ行ける引き戸に向かった。


『このナイフで……、お前が……、私と同じ…、顔になる日を……』
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