願いは叶う
切断された右腕

私が悪夢にうなされる日は、相変わらず続いていた。


十年以上前に死んでいるはずのあの三人が、なぜ今になって、私を苦しめるのか?


眠れない日々を過ごす私に、武士は心配そうに話しかけた。


「最近、寝れてないんじゃないか?」


「そんなことはないわ」


「だって、昨日も夜中にうなされてたみたいだし……」


「心配しないで。

私は最近、悪い夢を見てしまうだけだから……」


「悪い夢?

それって、どんな?」


「昔の嫌な記憶かしら?

私は最近、昔のことばかり考えているみたい」
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