願いは叶う
「小夜子……、お母さん……、どうしたらいいだろうね」


母は、弱々しく笑いながら、私にそう言った。


もしも、私が中学生でなければ、私はすぐに仕事を探し、お金を稼げるのに……。


私は、社会的弱者である母を見つめた。


「もう少しで、今年も終わるのに……。

お金がないなんてね……」


母が、小さな声でつぶやいた。


「お母さん、心配しないで。

私が何とかするわ」


私はそう言って、母に明るい笑顔を見せた。
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