願いは叶う
母は伏せていた顔を上げ、私の方へ目を向けた。


「小夜子……、無理よ。

小夜子は、中学生ですもの……」


「大丈夫よ、お母さん。

私が何とかする」


「何とかするって……」


「私、お父さんに会いに行くわ。

それで、お父さんからお金をもらってくる。

あの人だって、それくらいのことをしてもいいはずよ」


私はそう言って、母に笑顔を見せた。
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