願いは叶う
私は定時制高校に入学した頃から、きれいな女性になりたいと心から思った。


私は小さな食品工場で働き始め、自分でお金を稼ぐようになったが、私の心は満ち足りなかった。


以前よりは家庭内の収入も増え、生活にも少しゆとりが出たが、それでも私は、決して幸せではなかった。


私は毎日働き、一緒に働いている人たちを見つめながら、今の生活の延長線上に幸せがないことに気づいた。


私は毎日、八時間の仕事をして、月に一度の給料をもらい、母と二人で慎ましやかな生活をしていた。


でもそれは、私が思い描く幸せとは違っていた。


慎ましやかな毎日の生活の中で、私の中に夢は生まれなかった。


職場の人たちに、憧れる人は誰もいなかった。
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