願いは叶う
「お母さん、その人と会ったことがあるって、いったいどこで?」

「この病院よ!
それに会ったのは、つい最近。
もしかしたら、その人のことを小夜子も知ってるかもしれない……」

「私も知ってるって……、いったい、その人は誰なの?」

「その人は、一人で私に会いに来たんじゃない。
彼女たちは、三人だったわ」

私は母の話を聞いて、自分の顔から、サッと血の気が引いていくのがわかった。

「彼女たち、私のお見舞いに来て、小夜子の友達だって言ってた……」

「でもお母さん、そんな馬鹿げた話って……」

私は必死になって、母の話を否定しようとした。
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