願いは叶う
私は携帯電話をテーブルの上に置いて、スッと立ち上がり、テーブルの上にあるビールの空き缶を片付け始めた。


もう私は、逃げたりしない。


私は、私だけの幸せを手に入れてみせる。


そういえば、私はずっと思っていたじゃないか。


私は心の中で、何度も同じことを繰り返し、思っていたじゃないか。


私は、苦労ばかりして少しも幸せではなかった母のようにはなりたくない。


私は、自分勝手でいつもお酒に逃げていた父のようにはなりたくない。


私は、あの二人が手にすることができなかった幸せな生活を手に入れるんだって……。
< 498 / 636 >

この作品をシェア

pagetop