願いは叶う
午前十時五十五分。


自分のこれからの生活に希望が湧き、部屋の掃除をしていた私の気持ちが、憂うつになり出した。


武士が私に救いの手を差し伸べてきても、私を本当に苦しめている根本たる原因は消え去っていなかった。


私は、体中に鉛を仕込まれたようなダルさを感じ、立っているのも辛くて、ソファーにどっかと体を沈めた。


私はソファーに体を沈めながら、時計の針が時間を刻む音を聞いていた。


今日こそは、携帯電話の着メロが流れないようにと願いながら……。
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