願いは叶う
私はもう、呪いから解放されたかった。


私はもう一度、自分の大切な家族と幸せな暮らしをしたかった。


希望を失った私の目の前に、スッと垂れてきた最後の蜘蛛の糸。


私はそれにしがみついて、暗闇の生活から抜け出したかった。


〈 だから、お願い 〉


私は、神様にすがるように心から祈った。


〈 もう悪霊たちの呪いから、私を救って下さい 〉


私は、大切な家族の顔を思い浮かべた。


私の一番大切な人たち。


私はその人たちと、もう一度、幸せな生活を……。


私がそう願ったとき、私の携帯電話から着メロが流れた。


その時刻はやはり、午前十一時ちょうどだった。
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