願いは叶う
次の瞬間、私の頭の中には、あの桜井由美の姿が思い浮かんだ。


きれいな顔立ち、幸せな家庭、約束された未来。


彼女は、私が欲しいものをすべて持っている私の憧れだった。


私は桜井由美を見ていると胸が苦しくなった。


私と彼女は、歳も変わらない、背格好も変わらない。


それなのに、彼女と自分を比べてしまうと、私は自分のみじめさを心から思い知らされた。


私はいつの日か、憧れの彼女に近づきたいと、心の中で願っていた。
< 523 / 636 >

この作品をシェア

pagetop