願いは叶う
百合子が、カタカタと不気味な音をたてている窓ガラスが気になって、ふと窓ガラスに目をやったとき、百合子は、見てはいけないものを見て、悲鳴を上げた。


アパートの三階の窓に、あるはずのない女の顔。


ここは三階なのに、どうして?


百合子は、ありったけの悲鳴を上げながら、後ずさりをした。


窓ガラスの外にあるその醜い顔は、百合子が何度もうなされ、二度と見たくないと思っていた顔だった。


〈 私は……、立川……、早苗…… 〉


百合子は、学校の校舎の三階で、この醜い女の悪霊が言った言葉を思い出していた。


〈 私は……、罰を……、与えに……、来たの……。
あなたと……、あなたの……、お母さんに…… 〉
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