願いは叶う
〈 どうしてあなたは、私にまとわりつくの?

どうして?

どうして? 〉


百合子は、自分に悪霊がまとわりつく理由が知りたかった。


自分は、あの醜い顔の悪霊に恨まれているのだろうか?


憎まれているのだろうか?


でもなぜ?


自分はあの公園で、あの女の人に出会い彼女の顔を見ただけなのに……。


百合子が怯えながらそう思っていると、薄暗い部屋の中に笑い声が響いた。


その笑い声は、百合子を嘲笑うような薄気味悪い声だった。


百合子はその声を聞いているうちに、自分の呼吸が乱れてくるのがわかった。


〈 早く逃げなくちゃ…… 〉


百合子はそう思い立ち上がろうとしたが、百合子の足はプルプルと震え、立ち上がることができなかった。
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