願いは叶う
私はうつぶせになって倒れた立川早苗の悪霊に、馬乗りになって、振りかざした果物ナイフをその背中に突き刺した。


立川早苗の悪霊は、もうピクリとも動かなかったが、私は狂ったように何度も何度も悪霊の背中に果物ナイフを突き刺した。


今までの恨みを晴らすように。


もう二度と、この悪霊が姿を現さないように。


私はたくさんの返り血を浴び、大粒の汗をかき、呼吸が乱れ、息もきれたとき、ようやく立川早苗の悪霊に果物ナイフを刺すのを止めた。
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