君が笑った日。




「え?ってことはお風呂を 覗こう
としてた訳じゃ無かったの?」



「そうだよ。覗くわけねーだろ」




あれから私と転校生は
家の前の川沿いで座って話した。



で、転校生が言うには、私の家に
引っ越しの挨拶をしに行った時
近くにいた猫に気づいて追ってると
たまたまお風呂場の方に行ってしまった
らしい。



それで偶然覗いてしまったって事。




「なんだ〜!てっきり覗かれたのかと」


「だから覗かねーよ、お前なんか。
てか、猫は??」



「猫?あーアップルの事?」




アップルとは私の家に住み着いた
白い野良猫。


その猫、珍しい事にリンゴを
食べるから私がアップルと名付けた。




「アップルなら多分、家にいるよ。
この時間なら多分外から帰ってくる
時間だから」



「あ、お前ん家の猫だったんだ?
ふーん、アップルか。
てかお前、名前なんていうの?」



あ、そういえば私、自己紹介
してなかったなー。


まああの状況なら出来なかったけど。



「名倉 ヒカリ。ヒカリでいいよ」


「ん、じゃあヒカリな。
俺の事は蓮って呼んで。」



なんか呼び捨てするくらい
仲良くなっちゃった?けど


ま、いっか。

蓮は昨日覗いてた訳じゃ
ないし、ただの事故だったって事で。



私も早く忘れちゃおっと。



< 13 / 30 >

この作品をシェア

pagetop