君が笑った日。
「にゃーん」
「へえ、意外と綺麗だね」
わたしはアップルを抱いて
蓮の部屋にお邪魔した。
アップルも気に入ったみたいで
早く降りたいのか少し体をよじらせる。
「だろ。そこ、座って」
蓮の部屋は男の人の部屋って感じで
机とベッドとソファとテレビ。
シンプルで大人っぽい部屋。
私は蓮に座れと言われたソファに
座ってアップルを降ろす。
なんだか落ち着くような
落ち着かないような。
蓮は一度部屋から出て
ジュースを持って戻ってきた。
差し出されたペットボトルを受け取り
「ありがと。」
と呟いて蓋を開け口をつける。
蓮は辺りをキョロキョロするアップルに
手を差し出していた。
「アップルー、こっち来いよ」
アップルは名前を呼ばれて蓮の方を
振り向き、手に顔を擦り寄せた。