悪役系女子と王道な奴等
しばらくぼーっとしていると
「キャーーー!!!」
女の子たちの黄色い声で目が覚めた
「…うるさ」
「まぁまぁ。アンタんとこの男たちのせいなんじゃない?見てみ?」
指示された方を見れば
幹部三人とカオルさんを引き連れ歩くお姫さま。
なぁるほどね。
テントから出てきたわけね。
女の子たちの声にビクついたような彼女はカオルさんの腕を掴み、寄り添うように絡めた
その瞬間、女の子たちの声が罵声に変わったけど。
「あらま。あの姫さんバカなの?挑発してんの?」
「…多分何も考えてないんだよ」
「にしてもねぇ。あざといわ。」
仕方ない。
ああいうことを素でできる、弱くて守りたくなるような女を、カオルさんは好いたのだから
傷む胸を抑え、自虐だと思いながらも目を逸らすまいとカオルさんたちを見つめていれば。
パチリ、と
中内の目が合った。
恐らく傷ついている顔をしている私を笑うように見た彼は、そのまま目線を外した
もう、なんなのよ。