君がメガネを外す時・番外編~結衣ちゃんの恋~
気づくと、あの時悠兄としし座流星群を見た、川の土手に来ていた。
わたしはその場にうずくまる。
「……っ、うっ」
ばかみたい。
妹ぐらいにしか思われていないって、自分でわかってたじゃない。
それをいまさら言われて勝手に傷ついて。
好きじゃないなんて嘘ついて。
どんな想いも言わなきゃ伝わらない。
こんなことでそばにいられなくなるくらいなら、ちゃんと自分で伝えなきゃいけないのに。
「ここにいた」
大好きな優しい声がした。
「……悠兄」
走ってきたからか、息の切れている悠兄がわたしの隣りに座る。
「理香子に、何か言われた?」
涙にぬれたわたしの頬を悠兄がてのひらで拭う。