君がメガネを外す時・番外編~結衣ちゃんの恋~
「悠兄…」
「ん?」
「好き…。悠兄が、好き……」
「うん、知ってる」
あたりはもう日が暮れかけている。
「だって、言ってたじゃない。『悠兄のお嫁さんになれますように』って」
わたしは目を丸くする。
「わたし、口に出して言った?」
「うん」
くすくすと悠兄が笑う。
「僕も、いつか結衣がお嫁さんになってくれたらいいなって、その時思った」
「本当に?」
「今も好きでいてくれてるって知って、すごく嬉しい」
悠兄はわたしの頭を優しく撫でる。
「あっ、流れ星!」
遠くの空に星がひとすじ、流れた。
「悠兄に、想いが伝わりますように」
「もう、伝わってる」