君がメガネを外す時・番外編~結衣ちゃんの恋~
「ううん、だめだよ、悠兄」
「何が?」
「だってわたしの16年分の想い、こんなひとことじゃ伝わらない」
「じゃあ、これからゆっくり伝えて。僕の想いも伝えるから」
「うん!」
わたしは微笑んだ。
いつの間にか涙は止まっていた。
一生片想いでいいと思ってた。
そばにいられなくなるくらいなら、想いを伝えないほうが傷つかないで済むと思ってた。
でも違う。
たとえ傷ついても、伝えなきゃ前に進めない。
理香子先輩は、ひょっとしたら、それを教えてくれようとしたのかもしれない。
「ひとついい?」
悠兄が言う。
「何?」