かぐやの月
「なんのつもりだ!」
かぐやたちの周りを千歳の里の者たちがグルリと取り囲んだ。
途方に暮れている避難民というのは仮の姿だったのだ。
「俺たちの芝居にころっと騙されるとは、よくできた里守さんたちよ」
額に傷のある男が言うと、周りの者がうすら笑いを浮かべた。
「おまえ、千歳の里守か」
「いかにも。俺の名前は羅門。冥土の土産に覚えておくといい。言っておくがお前の仲間はもう戻らない」
「明星の里守を甘く見てもらっては困る」
「可愛い顔をして強気な発言だな」
「ここの患者は誰だ!」
バシュッ
弓矢がかぐやの額を割ろうと飛んできたが、サッと交わし、素早く鋭円盤で木上の射者の首をはねた。
「ほぅ、ただの救護隊かと思えば、なかなかやるな。褒美に教えてやろう。そいつらは馬籠の里のやつらだよ。ついでに里で黒焦げになっている死体もそうだ」
「どういうこと?」
「馬籠はうちの里が落としたってことさ。無能な時美のおかげで敗北寸前まで来ていたが、とんだ救世主が現れてな」
「救世主だと」
「ふふふ、銀司は今頃そいつらに地中深く埋められているだろうよ」
「達磨火が西へ向かったというのは嘘だな」
「そうさ、火は俺らが放ったんだ。西の地では土人族が出迎る。ついでに言うと里が燃えたのは達磨火のせいではない。この地はどうせ枯れている。馬籠と明星の里へ移り住めばいいってわけさ」
羅門がフッと姿を消したかと思うと頭上から飛び具が次々降ってきた。
かぐやが刀で全てを跳ね除けると、羅門がバッと目の前に現れ刀を振り下ろした。
刃と刃が火花を散らす。
「明星とうちは親睦が深かったのに、窮地にたった三隊しか送ってこなかったことにはがっかりしたよ。しかし、稲妻の銀司を寄越したのは明星の大きな誤算だったな」
かぐやたちの周りを千歳の里の者たちがグルリと取り囲んだ。
途方に暮れている避難民というのは仮の姿だったのだ。
「俺たちの芝居にころっと騙されるとは、よくできた里守さんたちよ」
額に傷のある男が言うと、周りの者がうすら笑いを浮かべた。
「おまえ、千歳の里守か」
「いかにも。俺の名前は羅門。冥土の土産に覚えておくといい。言っておくがお前の仲間はもう戻らない」
「明星の里守を甘く見てもらっては困る」
「可愛い顔をして強気な発言だな」
「ここの患者は誰だ!」
バシュッ
弓矢がかぐやの額を割ろうと飛んできたが、サッと交わし、素早く鋭円盤で木上の射者の首をはねた。
「ほぅ、ただの救護隊かと思えば、なかなかやるな。褒美に教えてやろう。そいつらは馬籠の里のやつらだよ。ついでに里で黒焦げになっている死体もそうだ」
「どういうこと?」
「馬籠はうちの里が落としたってことさ。無能な時美のおかげで敗北寸前まで来ていたが、とんだ救世主が現れてな」
「救世主だと」
「ふふふ、銀司は今頃そいつらに地中深く埋められているだろうよ」
「達磨火が西へ向かったというのは嘘だな」
「そうさ、火は俺らが放ったんだ。西の地では土人族が出迎る。ついでに言うと里が燃えたのは達磨火のせいではない。この地はどうせ枯れている。馬籠と明星の里へ移り住めばいいってわけさ」
羅門がフッと姿を消したかと思うと頭上から飛び具が次々降ってきた。
かぐやが刀で全てを跳ね除けると、羅門がバッと目の前に現れ刀を振り下ろした。
刃と刃が火花を散らす。
「明星とうちは親睦が深かったのに、窮地にたった三隊しか送ってこなかったことにはがっかりしたよ。しかし、稲妻の銀司を寄越したのは明星の大きな誤算だったな」