かぐやの月
父と母
鞍馬が新たに加わり、
かぐやたちは、主人たちの帰りを待っていた銀子猫に乗って
再び漆黒の炎へと向かって旅を始めた。
途中、魔物や別の種族に出会ったりもしたが
上手くかわして数か月の後には漆黒の炎がある森の入り口まで来ていた。
しかし、いまだかぐやが犠牲になる他に漆黒の炎を消す方法が見つからずにいた。
また、漆黒の炎へ近づくにつれてかぐやの容態が悪くなっていった。
始めは体調不良を隠して旅を続けていたかぐやも
次第に顔色が悪くなり、食事もろくに取れなくなり
ついには倒れてしまった。
「かぐやちゃん瘴気にあてられたかな」
鞍馬がかぐやの休む窪地の周りに魔よけの結界を張って戻ってきた。
「こんなに濃い瘴気は初めてだぜ」
白虎が火に薪をくべながらため息をついた。
「皆ごめん、少し休んだら大丈夫だから」
かぐやが薄っすら目を開けて弱々しく言った。
「しっかり休め。今は体調をしっかり整えないとな」
銀司は水で濡らした手ぬぐいをかぐやの額に置いた。