8月の雪
「あいつ大丈夫かしら?」
「祐なら平気でしょ」
ブツブツとさっきから祐を心配する美紗。
それがなんだか可笑しくて、私は横でクスクス笑っている。
「あっそう言えば、さっきりっ君と手繋いでたでしょ〜!
おめでとう、美紗」
「ばーっか、あたしのことなんかより自分の幸せ見なよ。
今日、告るんでしょ」
からかったつもりが、しっぺ返しをくらった。
「…別に決めたわけじゃ…」
まだ怖いんだ。
拒絶されるのが…。
もし断られたら、友達に戻れるか分からない、から…。
「そんなの誰だってそうでしょ?
…それに芙由なら…」
「えっ…今、何て言った?」
「別に…そのうち分かることよ」
不思議そうに美紗を見つめていると、前のほうから騒がしい音が聞こえた。
「始まったみたいね」
「だねっ」
どうしてかな。
不思議と胸が踊り出す。
ワクワクが込み上げてきて、次第に決心は固まっていく。
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