8月の雪
夏の終わり




もうすぐ夏休みが終わる。

彼女と出逢ってから、早三週間。

俺と彼女は毎日のように、逢っている。


…というより、俺が暇な時はいつも、勝手に押しかけてるだけ。

まぁいつも暇なんだけど…。


「…祐〜暇だよー!
どっか連れてって〜」

「芙由うるさいよ
暑いんだから静かにして」

「ひどっ!!」


膨れっ面をする芙由を見て、
俺は思わず吹き出した。


「変な顔…」

「女の子に変って言うなー」


そう言って、赤い顔で俺をポカッ、と叩いた。

弱々しい力は、気持ち良くて、
今度は大きな口で笑った。


「…祐って、最近よく笑うね?
初めて逢った時なんて、ずっと仏頂面だったよ!」


こんな顔〜、と言わんばかりに、芙由は変な顔をする。


「んな顔してないですから。」

「はい、嘘〜
祐って嘘つく時、敬語使うよね!?」


何故か嬉しそうに、俺の癖を指摘する。


だけど、自分でも気付かなかった癖を、芙由が見つけたことは、なんだか嬉しくって、
笑みが零れた。
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