8月の雪



「まるで子供ね?
泣き疲れて寝るとか…」

「たっちゃん最近寝れてないみたいよ?」

「はぁ〜…また一人で抱え込んでのー!?」


最近、あのことが気になって眠れない。

だから、いつも人前では寝ない俺は、
美紗と真美さんが話をしている中、ソファーに座ったまま寝てしまった。




「美紗は心配性ね〜」

「…こんなやつと一緒にいれば、いやでも心配性になるわよ」


呆れてため息が出る。


ずっとそうだった。

勉強も友達も、
先生受けだって、あたしなんかの倍、
要領よくこなしている。


なのに、自分のこととなると、
全くと言っていいほど、駄目だ。

直ぐに抱え込むし、
それを言ってもこない。


心配する身として、
迷惑この上ない話。



そう言った意味では、あの子も一緒だと思う。


あたしの話はよく聞きたがるくせに、
自分のことは絶対言わない。




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