8月の雪
頑固な性格で困る。
だから、祐の存在は、
あの子にとって、助けになると思ってた。
でも、逆に祐に負担がかかったみたい。
『…後一年が有余かもしれない…』
そう言って、電話をかけてきたのは、
祐に泣きながら電話をした後。
ひどく後悔をしていた。
『事情も知らないのに、あんなことしたら…変に思うよね』
赤く腫れ上がった瞳で、苦笑いをしていた。
その横で、あたしはただ冷静を保つだけ。
かける言葉が見つからなかった。
こんな時、あいつなら何て言うんだろう。
そんな風に思っていると、
祐の顔が頭を過ぎった。
あたしじゃ力不足。
「……んっ〜…美紗?」
「あっ起こした!?」
「いや…っつか、どんくらい寝てた?」
毛布をかけた途端、体を触れられるのを拒絶するように起きた。
「一時間くらいじゃない?
寝不足だったでしょ!」
目を擦りながらあくびをする祐に、
余っているケーキと紅茶を出した。