8月の雪
「ってか、行くのか?」
「……金井がいいって言ったらな」
適当に返事をすると、ちょうど分かれ道につき、
俺と祐は、家路へとスタスタ歩いた。
その時フッ、と見た夕日は、
怖いくらい赤々と輝いていた。
「……お前ってまぢムカつく。」
それだけ言うと、
祐から一枚の紙切れをとった。
そんな俺を見て、祐は苦笑している。
それがまた、俺のイライラを募らせる。
「ま〜ドンマイじゃない?」
「栞先輩はなんでいんすか」
祐の横で笑っている栞先輩を、呆れながら軽く睨み付ける。
栞先輩は、俺達と同じ中学の陸上部。
部長の長谷川 流《ハセガワ ナガレ》先輩
と、付き合っている。
なのになんでここにいるんだ。
しかも腕組んでるし…。
やっぱり、祐の考えが分からない。