8月の雪


「ってか、行くのか?」

「……金井がいいって言ったらな」


適当に返事をすると、ちょうど分かれ道につき、
俺と祐は、家路へとスタスタ歩いた。


その時フッ、と見た夕日は、
怖いくらい赤々と輝いていた。































「……お前ってまぢムカつく。」


それだけ言うと、
祐から一枚の紙切れをとった。

そんな俺を見て、祐は苦笑している。


それがまた、俺のイライラを募らせる。


「ま〜ドンマイじゃない?」

「栞先輩はなんでいんすか」


祐の横で笑っている栞先輩を、呆れながら軽く睨み付ける。


栞先輩は、俺達と同じ中学の陸上部。




部長の長谷川 流《ハセガワ ナガレ》先輩




と、付き合っている。


なのになんでここにいるんだ。

しかも腕組んでるし…。


やっぱり、祐の考えが分からない。
< 55 / 111 >

この作品をシェア

pagetop