8月の雪



弱い自分とは今日で、決別しなきゃ。


あたしはあの人みたいにならない。


自分以外の人間が、こんな風に泣きながら、あたしに思いを突き付けてくれる今に、
あたしは信じる気持ちを持たなきゃダメなんだ。



あたしはあたし…
だから前を行く。



もう逃げない。






「…祐、ありがとね」


「おうっ」


空を見ながら決心する。

君とこんな空をまた見れる日が来るように、
あたしは君に逢いに行く。


拒絶されても必ず…。


空に笑いかけて、あたしは祐を残して屋上を出ていく。




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