8月の雪
「盛り上がってんね、祐のクラス」
「ま〜っな!
みんな頑張って準備したかんな」
芙由はニコニコと、楽しそうに笑う。
「明日、成功するといいね…。」
「あぁっ…」
「後、…美紗が来てくれればね…」
「だなっ」
俺は俯きがちに、静かに言った。
律に手紙を渡された後、
美紗は毎日頑張っていた。
まるで何かに取り付かれたみたいに、いろんなことを率先してやっていた。
でも、普段やらないことをしていたせいか、
美紗は過労で倒れた。
もう、四日も前の話。
律は律で、心配して毎日芙由と、俺のクラスまで来る。
どうせなら家に行けば。
そう言った俺の言葉を無視して。
「あっそうだ芙由!俺、学祭で」
一ドサッ…
「えっ…………!?」
その瞬間、何が起こったのか、分からなかった。
目の前では、
息苦しそうに、コンクリートに倒れている、芙由。
俺は、真っ白になった頭で、それを眺めている。
「おい祐っ!!」
聞き覚えのある声に気付き、
俺は我を取り戻した。
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